つれづれに見ている芝居の劇評、時に激甘、時に激辛、往往にして大感激
香川照之改め市川中車見に行ってきましたよ~。っていうか、四代目市川猿之助襲名披露公演。
チケット手配の手違いから、3階B席という死角だらけの席で満足に見えたとは言い難かったのですが、それでも香川さんの執念、新・猿之助の懐の深さが垣間見られたよい公演でした。
『小栗栖の長兵衛』で主演を務めた中車は、作品が大正期に作られた新歌舞伎だったこともあり、乱暴者だが憎めない長兵衛を自然体で演じておりました。もちろん、まだまだ”歌舞伎”というジャンルに対し、緊張し、遠慮している感は否めず、何度か演劇の舞台で目にした香川さんの闊達さは影をひそめて今後の出番を待っているという感じでしょうか。
口上で”歌舞伎に生き、歌舞伎で果てたい”という決意を述べた新・猿之助は、香川さんの歌舞伎入りなどで、自身の襲名披露が別の意味でマスコミや業界の注視を浴び、やりにくさもあったのではないかと想像するんですが、あえて涼しく受け流し、自分の芸に集中していたところが役者としての誇りの高さ、もっと言ってしまえばレベルの違いを感じさせました。『義経千本桜』で化け狐を演じたのですが、その行き届いた芸を見てしまうと、中車となった香川さんのドラマチックな感動エピソードを寄せ付けないような、伝統芸能の頂の高さを改めて思い知る気がしました。(とはいえ、香川さんと父である新・猿翁をめぐる物語は、後世どなたかに戯曲化してほしいと期待してしまう。二人の楽屋初対面のシーンなんて、まるで芝居のワンシーンだもの)
一番気になったのは中車の長男、政明改め團子くん。初日の口上をテレビで見たのですが、それより口調がぐっと歌舞伎調になっていて、この物おじしない押し出しのよさが、隣で頭を下げる父の緊張感と対照的で、ほんと末頼もしい!”おじいさまよりずっとずっと立派な”役者になってくださいね!
『小栗栖の長兵衛』で主演を務めた中車は、作品が大正期に作られた新歌舞伎だったこともあり、乱暴者だが憎めない長兵衛を自然体で演じておりました。もちろん、まだまだ”歌舞伎”というジャンルに対し、緊張し、遠慮している感は否めず、何度か演劇の舞台で目にした香川さんの闊達さは影をひそめて今後の出番を待っているという感じでしょうか。
口上で”歌舞伎に生き、歌舞伎で果てたい”という決意を述べた新・猿之助は、香川さんの歌舞伎入りなどで、自身の襲名披露が別の意味でマスコミや業界の注視を浴び、やりにくさもあったのではないかと想像するんですが、あえて涼しく受け流し、自分の芸に集中していたところが役者としての誇りの高さ、もっと言ってしまえばレベルの違いを感じさせました。『義経千本桜』で化け狐を演じたのですが、その行き届いた芸を見てしまうと、中車となった香川さんのドラマチックな感動エピソードを寄せ付けないような、伝統芸能の頂の高さを改めて思い知る気がしました。(とはいえ、香川さんと父である新・猿翁をめぐる物語は、後世どなたかに戯曲化してほしいと期待してしまう。二人の楽屋初対面のシーンなんて、まるで芝居のワンシーンだもの)
一番気になったのは中車の長男、政明改め團子くん。初日の口上をテレビで見たのですが、それより口調がぐっと歌舞伎調になっていて、この物おじしない押し出しのよさが、隣で頭を下げる父の緊張感と対照的で、ほんと末頼もしい!”おじいさまよりずっとずっと立派な”役者になってくださいね!
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