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つれづれに見ている芝居の劇評、時に激甘、時に激辛、往往にして大感激
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(芸術監督:棚橋洋子 Max Shumacher 出演:Jun Kim Alexander Schroder Yuko Sato)

「井深大、盛田昭夫。ソニーを創った二人の男」っちゅう、キャッチコピーがあって、マイケル・フレインの『コペンハーゲン』のような大作を期待していったけれど、微妙に拍子抜け。脚本も悪くないのだが、ラストが尻切れトンボ過ぎて、現在のソニーの凋落ぶりに対するいかほどの警句も残さないのはいかがなものかと。唯一読み取れるテーマとしては、『失敗は成功のもと』ってことなのかなと思うけど、チラシにあるように『立ち上がれ、何度でも。』なんてところまでは深まらず、単に二人の歴史をたどってきて、井深さんの葬式のシーンで突然終わってしまった。
 
 上演団体のpost theaterは、1999年に日本人の女性とドイツ人の男性を芸術監督にニューヨークで設立されて、現在はベルリンを拠点に活動しているという総合ステージアート団体ってことらしいのですが、インスタレーションが思ったより保守的な感じがして物足りなかった。照明まったく吊らず、上から投影しているプロジェクター一機(ソニー製品か?)のみに頼ってるんだけど、これって経費削減?って思ってしまうのは私だけだろうか。
 
 井深と盛田を演じるのが、ドイツ人とアジア系(何人と記載がないので)の俳優で使うのが英語、というのもなんだか不思議な感じ。英語で見せること自体は悪くないけれど、アジア人俳優の英語がアジアなまりなので、なんだか2人の台詞がアンバランスに聞こえてしまう。主役二人が「異邦人と接する邦人」にしか見えなくて、それでは、一番表現したかったであろう二人の男の関係性が見えにくいと思う。盛田役の俳優はダンサーという肩書きもあるんだけれど、それにしては動きが硬くてワンパターン。舞台が狭いせいだろうか。
 
 これ、1時間10分という短い上演時間なので、もう少しラストをテーマを盛り込んで書き足し、ドイツ人同士、もしくは日本人の俳優同士で見てみたいと思った。途中、女性ダンサーが出てきて踊るのだけれど、それなら舞台をもう一回り広くすべき。ダンサーの唐突な出方も、ラストに向けて盛り上がりが書きこめなかったためのおためごかしのようで、演出は再考の余地あり。もう少し、名の通った演出家で作ってみたら、いかようにも面白くなる気がしてしまう。
 
 芝居では珍しく、ソニー系列をはじめとする企業スポンサーがたくさんついていた。観客もソニーの社員と思われる人たちが結構いて、社内イベントのノリに近い感じを受ける。外国から来る作品は、みんな殿堂入りになったものばかりだと思いがちだけれど、『heavenly Bento』はまだまだこれから磨かれていくはずの舞台なのかもしれない。

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